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極貧人学習塾を開業する

どうも私です。

以前から個人塾を経営する意欲がありましたが、根っからの怠惰人であるため行動に移せず、一生行動に移さないのだろうなと自分の事ながら確信していました。

先日姪に個人塾を立ち上げる構想を話しました。それ以来ネットでいろいろ調べたらしく、かなり具体的なプランを聞かされました。

聞いているうちに面白くなり、2人でいろいろ話しました。そしてこれなら私でも開業できるのではないかと汗がじんわり出てきました。

まず経費です。当初の予定では500万円程度かかると計算していました。しかしながら無駄を省いて省いた簡素な塾の経営ならば
100万円もあればいい事が分かりました。

もちろん大金です。大金ですが、出せない金額ではありません。貯金通帳の数字を見ながら考えます。そして決断しました、出しました。

脱サラするサラリーマンの悩みといえばなんといっても生活費です。塾を開業しても、最初は満足な収入を得られません。必然的に貯金を切り崩すことになります。

私は独身であり、極貧エリートゆえに生活費は人の半分以下どころではありません。家庭教師との2足の草鞋で充分生活していけます。

つまり最大の難関と思われた資金面でのハードルをなんなくクリアできるということになります。ハードルは高くなかった、思い切って走ってごらん!そこに何かが見えるから!いいですね、将来まだ見ぬ塾生にいうことにします。


塾の教材に使うテキストですが自作しました。怠惰人の私としては筆舌に尽くしがたい労働がそこにはあったはずなのですが、案外この作業が楽しく娯楽と労働の中間のような時間でしたので、苦痛ではありませんでした、そして充実感はありました。結果完成しました。

出来上がったテキストはまるで我が子のようです。というのは大袈裟ですが柄にもなく興奮してしまいました。生徒は今の所0人であります。しかしながら確かに塾はここにある。

私の夢は走り出しました。怠惰人が汗をかき頑張るのです。


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塾の勧誘に四苦八苦する

どうも塾を開業して更に貧乏になった者です。

収入が得られなくても3年は頑張ろうと決めています。チラシを配り、携帯が鳴るのを待っているのですが目覚ましくらいしか鳴りません。

そこでアプローチを変えまして町内会の掃除でそれとなく話題にしてみました。若いママさんですと直接勧誘みたいで気恥ずかしいので子育てが終わったママさん達に話してみました、口コミで少しづつ広げていこうとしたのです。

すると一人の女性がうちの孫も看られるかしらと思わぬ形で直接的な話になりました。塾の勧誘をしているというのに、いざ具体的な話になると尻ごみしてしまいました。まるで人見知りを治すためにナンパ、オーケーをもらって驚くおぼこ男のようです。

とはいえすぐに精神を立て直し、いかにも塾の先生であるといった態度で会話を続けました。聞くところによると、女性3人で暮らしており、娘と孫がいるとのことでした。

私はじっくり話を聞きました。話しはいたるところに脱線しましたがそのたびに私が戻しました。娘はシングルマザーであり忙しいから孫の面倒は私が看ている。私は出来るだけのことはしているけど教育に関しては限界がある。

趣旨としてはそういうことでした。私はネクタイを直しキリッとした顔で名刺を渡しその場を立ち去りました。そういう事を何度か繰り返し、依然として着信は0でした。

正確にいえば

雑用を押し付けてくる姉。
学校の話しを臨場感たっぷりに話す姪。
ワンキリ業者。
家庭教師先の生徒。

しかも勉強の事ではなく、暇だから暇つぶしに自分より暇そうな人間にかけたという理由であり実際暇だった私は長電話になってしまい、暇であることを実証してしまいました。

そんな日々が続いたある日、電話がかかってきました。塾の事を聞きたいということで私の胸の高鳴りはまるで初恋の人のパンチラを見た青少年のごとく高鳴りました。

電話の相手は町内会で話したママさんの娘さんです。私は彼女の質問に丁寧に答えました、そして一度来てほしいといいました。

私は初恋の人のデートを目撃した青少年のようにドキドキして待ちました。




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塾経営は楽しい

どうも私です。

現在チャーチル塾はごく少数の生徒と赤字に必死で抵抗しているおじさん一人で成り立っています。とはいえ金銭面を抜きに考えればとてもやりがいがあり楽しく充実しているといえます。

私が楽しんでいてはどうかとは思いますが、率直に現在までを振り返ると楽しいというのが最も適切な言葉なのではないかと思うしだいであります。

経営が軌道にのれば必然的に生徒の数が増えるという事であり、楽しいだのなんだのいってられなくなるでしょう。月並みな言い方でいえば食っていけるくらい稼げれば利益を最大限追求するということはかえって生活の質を落とすことになるのではないか。

まだ生徒の数が増えていないのにあまり増えては困る……まるでもてない男がバレンタインにチョコを多くもらっては困るなぁと妄想するようなものです、はい私は姪から貰えるので大丈夫です。

まだまだ赤字ですが、生活が困窮するほどの額ではなく、家計簿の健全化も近いです。この調子でやっていきたいものです。


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不登校の少女

その日は曇り空で過ごしやすい朝でした。我が塾は事務員などというしゃれた存在はおらず私一人です。お茶を入れながら雑務こなしていました。コーヒーは口臭対策で飲みません。私は塾ではお茶を飲んでいるのです。そんな風に過ごしていた時に1人の女性がやってきました。

「あらー先生ですか先生?」

彼女はそういって入ってきました。

「あらースネイプ先生に似ているって本当に似てるわ」

昔生徒にもいわれたことがありこれで三度目です。ハリーポッターシリーズは最初の作品だけ見ました。スネイプ先生というと主人公のハリーをいじめる先生です。私は考えました、人は9割方容姿で判断されます。有名な映画の主人公をいじめる先生役と私が似ているということは塾を経営するうえで大きな-ポイントではないのか?私は全然似ているとは思いませんが思わぬところでイメチェンを考えるきっかけになりました。

「それでねここ塾よね、私の娘がどうかなって思ってきたんだけどどうかしらね」
「ええそうです個人塾です、私一人でやっています」
「そうなの!でもあれよねその分生徒一人一人と距離が近いとかそういうね大手の塾と比べて施設面じゃ劣るけどその分カバーするみたいにねうんうんそうだと思う」

いきなりフォローされてしまいました。

「それでねうちの娘ねすっごい美人なの」
「ぇ?ぇぇ」

まるで結婚できない娘を紹介する母親のような台詞です。私は話がどこへいくのかまったくわかりませんでした。

「私見てるとそう思えないでしょ、でもねすごい美人なのよ、だからね学校でさいじめられちゃって今家にいて何もしていないの」


ああそういうことかなるほど話は意外にすぐに着陸しました。

「私今独身なんだけど昔さあっちの人と結婚してね、だから娘ハーフでねその分辛い思いさせちゃったかもしれないけどでも私と違って美人だから差し引きでいうとあれなんだけどさ」

「はい」

私はお母様も美人ですよと言おうと思いましたが、話がものすごく長く厄介な方向にいきそうなのでやめました。その後、母である彼女の人生と娘の現在の境遇について私の主観では永遠と思えるほどの長さで語ってくれました。

「……そうそうそれでね、今日はさうちの娘そういう環境だからナイーブになっていてね、だから先生が信頼できる人が私の目で確かめたかったのね」
「でもさこうして話してみていい先生ぽいし安心したわ」
「そうですか」

私はこれまでぇぇーとはいとそうですねぐらいしかいっていないのに、なにをもって彼女が私の人格を判断したのかは謎でした。分かった事ですが娘さんは不登校であり中学校1年生であるということ、勉強というより学校的な存在として塾に行かせたいということでした。

「入塾の申し出は大変ありがたいですが、そういった生活面のサポートならフリースクールのほうが適していると思います、そういった場所を検討されたことはありますか?」
「うーんでもね学校いけずにそういうところいくといかにも落ちこぼれたみたいじゃない?どうもそれがうーんどうだろって思って」
「そういうことではありません、不登校になったとしてただ少し寄り道しているだけの話しです」
「そうそうそうよねいい言葉だわそうそう寄り道しているだけなんですよね」

実際問題として私のような道を大きく踏み外した人間からすると10代の人間は誰もが大いなる可能性を持っていると感じます。フリースクールを勧めたのは精神面を含めた生活サポートが前提となると私には少々荷が重いのではないか?そういう判断が働いたのも事実です。

「でもね先生にみてもらいたいからどうなんでしょうね?」
「ええ入塾希望というならば一度娘さんを連れてきてもらいたいのですが」

はっきり保護者から入塾の希望をされれば断るのは難しいです。しかしながら面接などという大層なものではないですが、入塾前に一度私は生徒と話し合っています。あまりにやる気のない生徒を入塾させると他の生徒も引きずられて結果的に塾の評判に関わるからです。

面接の日付を決めた後お母様は帰っていきました。残ったお茶を飲み干した後にお茶を出さなかったことに気付きました。


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塾の反省点

学校の教師だろうが塾の講師だろうが預かった子供を平等に扱う事は基本中の基本である。しかしながら、教育者だろうが人間であることに変わりはないので好悪の感情は必ず出てくる。

学校において教師が生徒を虐めた結果、耐えきれなくなった児童が自殺するという悲しいニュースが年に数回程度話題になる。虐めた側とて最初から自分が生徒を虐め殺す教師になろうと教師を志したわけではないだろう。

ならば何故虐め殺すという最悪の結果になったかといえば、好悪の感情による差別を自分の中で正当化、開き直った結果ではないか。なぜそんなことをするかというとそのほうが楽だからだ。

私は昔から、周りから人に対して好き嫌いがないねといわれる事が多かった。その評価は(残念ながら)正しいとはいえずむしろ嫌いな人間のほうが多いくらいである。

非常に残念だが、この性質を今更変えることはできないのでいかんともしがたい。とはいえ好悪の感情を外に出さないようにする事を意図的に心掛けた結果、そういった印象を周りに与えることができた事には満足している。

今日は生徒を叱った。彼が容姿について他の生徒をからかったからだ。説教したことについて後悔はないが問題は私の内面にある。もう少しの所で彼を感情的になって罵倒するところだった。

具体的にいうと、おまえは他人の事をからかえるほどたいしたものじゃないだろう、そういう台詞を胃の中に飲み込んだのだ。言うまでもなくこのような事をいえば完璧な容姿を持つ人間は他人の容姿を貶していいことになるので説教としては下の下である。

また怒りに任せて大の大人である私が生徒の容姿を貶したとしよう。それは彼が最初にからかった事よりむしろ罪が重い。またからかわれた生徒にも面子があるのでそこらへんにも注意を払わなければならない。かように説教というのは本当に難しい、かといって楽に流れて放置するわけにはいかない。

私が世の中でもっとも唾棄することはヒステリーだ。もっと正確にいえば他人に当たり散らす類のヒステリーだ。自分自身で完結していれば泣きわめこうが、それでスッキリするならまったく問題ないが、他人を巻き込むのは最悪である。

改めて心がける。他人を嫌いになったとしても態度には出さず(けっして)相手に悟られないようにする。感情的な行動はとらない。
楽に流れず踏みとどまれるように自分を律していかねばならない。その分普段の生活では可能な限り楽をして怠惰を満喫しよう。
今日の反省点である。



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生徒の意外な頼み

昼下がりに弁当を食い終わり、生徒と雑談していました。最近は喋らなければ空気がもたないといった事はなく気心が知れた年下の友人といるような空気になっています。

とはいえ生徒と塾の講師は友人関係ではなく、一線を引き威厳を保つよう努力しています。話しは動物の話になり、私は渡り鳥の偉大さを語りました。

「渡り鳥はV字形で隊列を組んで飛ぶんだよすごいだろ」
「へぇー鳥もインスタ映え意識しているんだすごいね」

話しは噛み合いませんでしたが、1割でも彼らの凄さが伝わっていれば満足です。話しというものは10割伝わらなくてもよいのです。

とはいえ今書いていて思ったのですが私の言いたい事の1割も伝わっていないのではないか?非常に残念であり未熟者であるといえましょう。その後も動物トークは続きました。

「カバってさ怖い動物だって本当?」
「うん縄張り意識が強いしあの図体で結構走るのが早いから人の被害も結構あるらしい」
「うっわーやばいね、それで先生さ動物園とか行くの?」
「子供の時は何回かいったかもしれない」
「なんでかもしれないなの。あーでもそうなんだ私あんまりいったことないんだよね」
「なんだ行きたいのか、中学生は安いからお得だぞ」
「うーんそうなんだ……それじゃ一緒にいかない?」
「俺と行くの?」
「うん」


なかなか難しい話しになったと悩みました。友達や親といけばいいんじゃないかという言葉は封じました。彼女は不登校であり、父親はおらず母親との仲も微妙です。そもそも一緒に行く相手がいないから私を誘ったのでしょう。

とはいえ生徒と動物園に行くというのもどうなのだろうか。私は悩みました。今後生徒が増えていくという前提ですと、一人の生徒にそこまで肩入れしていいものだろうか?

人間付き合いは適度な距離が必要であり、あまり近すぎても弊害が出る。それとも増えたとして皆で動物園に行けばいいのだろうか。

そういう問題でもないと一人で突っ込みました。そもそも当塾は不登校の子を受け入れますというアピールはまだしておらず彼女は例外的な存在です。そもそも増えない可能性もある。

しかしながら軽い口調でしたが、もしかしたら勇気を出したのかもしれない。無下に断るのも……いやその場の感情に流されて塾の方針が揺らぐのは……一瞬のうちに私の頭は高速回転しました。



出した結論は


「分かった。だけどちゃんと親御さんの許可をとってきなさい」
「あそううん分かった」
「うわーどうしようかなぁカバがスイカ丸飲みするのとかすごいみたいし、オランウータンってうんこ投げてくるんだってどうしよう本当、その時は先生盾にするからね絶対」

とても嬉しそうにみえました。思うに動物は好きだがこれまで一人ではいけなかったのでしょう。私が中学生の頃はどうだっただろうか?

学区を飛び越えて電車に乗るのはそれなりの冒険だったようなきがします。小学生の時のような異国に行くほどのドキドキ感ではありませんが、非日常感がありました。

そう考えると彼女の心境が分かります。第一印象は大人びた印象でした。しかしながら話してみると昨年まで小学生だったのだなと妙に納得します。考えてみれば姪と同い年であり、話しやすいのもそのせいかもしれません。

思わぬ形で初めての引率することになりました。しかしながら生徒は一人なので引率とはいわないのかもしれない。とはいえ今後も生徒を連れて教室外の場所で活動することもあるでしょう。その第一歩として動物園に行ってきます。



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少女の慟哭

その日は雲一つくらいの晴れ空でした。私はいつものように散歩して朝ごはんを食べて歯磨きをしてスーツに着替え出勤しました。
スーツで出勤なんと良い響きだろうか、安物のスーツとネクタイが私にはよく似合う。

おんぼろ自転車で出勤している最中、車輪を発明した人間への敬慕が湧いてきます。燃料代0での移動に私は満足して自分の足を動かしていました。

そして塾に辿り着きました。私の城です。受験戦争を勝ち抜く精鋭を育成している我がホームです。私は満足して席に座りました。さぁ今日もビシバシ扱き生徒の戦闘力をあげていこう。鬼教官として頑張ろうという決意をしました。

ところが授業時間になっても生徒がこなかったため、電話した所出ません。しょうがないので小説を読んでいました。まだまだスパルタ式の訓練が足りないようだ……私は小説を読み進めました。結局初めての欠席でした。

夜私が塾から帰ろうとするとスマホに電話がかかってきました。生徒の電話番号です。どうも様子が変です。生徒の声は震えていました。

何かあったことはすぐにすぐに分かりましたが何が起きたのかは当然分かりません。どうした?何かあったのか?と低いトーンで聞いてみました。

すると今から塾に来るとのこと。どういうことだろう?無断欠席の罪悪感で声が震えたのか?いやそんな性格じゃないのは短い付き合いでも分かっています。そもそもそんな殊勝な生徒は今まで一人もいませんでした。

私は来るのだから待とうということで小説を読み進めました。少しの時間が経った後彼女は来ました。表情が明らかに暗く、泣きじゃくった後が顔に色濃く出ていました。何か家庭であったのだろうか……私が解決できる程度の事ならいいのだが……と緊張が走りました。

無言で席につきます。明らかに何があったのか聞いてくれという態度です。私はどうした遅刻して?何かあったのかと尋ねました。それでも無言だったので、私は話したくないのならばいいと思い、遅くなったが今日の分進めるぞといいました。

すると母親と喧嘩したと一言いいました。まぁそんなところだろうなと私は納得しました。思春期の子供が親と喧嘩するなど珍しくない話です。私は安堵しました。

ところが喧嘩内容は思ったより深刻でした。
彼女の母親は現在付き合っている男性がいるそうです。

私はまた緊張しました。その男に何かされたのだろうか……そんな話だったら私がなんとができる領分をはるかに超えてしまうと戦慄しました。


そこまで話して彼女は黙りました。
しばらく沈黙が続きます。


私はお母さんは独身だし男性と付き合うこともあるだろうと月並みな事を言いました。すると悲しい顔で言いづらそうに告白しました。

親たちの行為を見てしまったそうです。私は何といっていいのか分かりませんでした。分かるのは気分が最悪だろうということでした。

しばらく沈黙が続きました。私はなんとか場にふさわしい言葉を選ぼうと努力していたのですが出てきません。よりによって母親の……私は彼女の母親に怒りを覚えました。独身なので交尾そのものは自由にすればいいでしょう。

しかしながら子供にそういった女の姿をなるべく隠すように最大限配慮すべきではないのか……よりによって隠すどころか剛速球のストレートを娘に見せつけたわけで、ショックが大きい事も分かります。しかしこの娘の話しはいつも闇が深いなと心の中で溜息をつきました。

私が悩みぬいていたところ、彼女は家に帰りたくないから先生の家に泊めてといいました。私はそれは無理だといいました。どうして!!といわれました。中学校1年の女の子を泊めるなんて無理に決まっているだろうといいました。

それじゃ私の事そういう風に見ているんだといわれました。そんなわけないだろう。でも世間はそうは見ないと私はいいました。


「世間って!!!世間って何なの!誰!」と声を張り上げられました。


私は困り果てました。
ヒステリーを起こされたらどうしょうもありません。

彼女は泣き始めたので私は席を外しました。どうしたものか……私は迷子の迷子の子猫ちゃんをみるおまわりさんより困っていました。熟考した結果……

彼女の母親に電話をかけました。私は核心に触れないよう現状を説明しました。すでに塾の講師が解決する領分を大きく超えている。辛いだろうが母子でなんとかしてもらうしかないと思ったのです。

ところが娘はなんていっていました?と逆に聞かれました。今思い返しても悔やみますが私は失言しました。人生経験の薄っぺらさが出てしまったのでしょう。

「お母様が男性としている所をみてショックを受けたと聞いています」


とありのまま伝えました、伝えてしまいました。するとよほどパニくったのかよく分からない事をまくしたててきました。私はこれでは埒があかないと強引に切ろうとすると、「私だって人生があるんだから!」といっていました。

なんたることか……それでも母親なのか……と私は驚愕しました。ようするにこの人は生物学的な母親であっても社会的な意味での母親ではないのだ。

母親になる資格がないのに母親になれたのは、交尾すれば誰でも子供ができるからでしょう。そこに精神年齢は一切関係ない。

いやこの年まで育児してきたのは事実なのだから少なくとも私がそこまで言う権利はないかもしれない……娘がショックを受けているように母親もショックを受けている……なんとか理解しようと努めました。しかしながら同時に何故私が他人の交尾の尻ぬぐいをしなければならないんだ……と心底億劫でした。


怠惰人の私はおまえの責任なんてないんだからといってきました。教育者としての私はやれることがあるうちは手を尽くすべきだと聖人のようなことをいってきました。

ここで考えました。母娘とも心が限界まで疲弊しているのは間違いない。いや母親は交尾して気分はいいかもしれないしよく分からないが娘はそうだ。このままなら家に帰らないのかもしれない。その場合どうなるのだろう?


男の子なら公園で一泊過ごそうとするが、寒さに耐えかねて深夜に帰宅するなど笑い話になるだろうか?いやそもそも男の子なら私の家に数日泊めても問題にはならないのだが女の子ですからそうはいかない。ファミレスやネットカフェならましなほうでスマホ経由で何かしらのサイト経由で見知らぬ男の所に泊まる事だってありうるのだろうか?

そんなことになったら最悪だ。

私は姉に電話しました。手短に塾の生徒を連れていくから今日一泊できないか?といいました。姉のいいところはこういう時に話がとても早いところです。悪いところは後からのびたのママのようにネチネチ説教してくるところです。


姉の家は部屋が余っています。同世代の女の子がいるという点についてどう転ぶかは分からないが、もうこれしかない。
私は戻りました。

お母さんと話しをしたよと言いました。すると何て?と一言いいました。いやお母さんも混乱しているみたいだというと、馬鹿じゃないのと言いました。

私はなるべく落ち着かせるよう静かなトーンで喋りかけました。

「今はお互い頭に血が上って冷静な判断ができないだろう。私の家に泊めることはできないけど姉の家なら部屋が余ってるから今日はそっちにいこう」
「いやいいよ自分でなんとかする」
「なんとかってどうするつもりだ?」
「なんとかする」
「いやダメだ絶対。自分の家に帰るか姉の家に行くかのどちらかだ」
「やだよ知らない人の家なんて……」
「俺も一緒に泊まる。部屋は1人部屋でゆっくりできるから」
「……」
「すぐ決めなくていい。でも自分でなんとかするっていうのだけは絶対なしだ。それだけは力づくでも阻止する」
「迷惑じゃないの?」
「いや人をもてなすのは好きな人だからむしろ喜ぶよ」

実際姉は人をもてなすのは好きとはいえないので迷惑かもしれませんがしょうがない。義兄は夜遅く帰って朝早く出かけていきますから問題ないでしょう。問題があるとすればレイちゃんか。

メイちゃんは余計な事は一切言わないだろう。彼女は私なんかより他人に配慮できる娘だから大丈夫だ。一方レイちゃんは予想不可能なことをするので釘をさしておく必要がある。

私はこの時すでに疲れていましたが、幸い疲労困憊というほどではありませんでした。残った体力をかき集めて今後の事を考えていました。


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火種は残る

早朝の早朝、義兄が出勤する時間になり私は目を覚めました。さぁこれから会社で働けるぞ!と義兄の顔がそういっております。タフな男であり日本の社畜界においてもトップで戦える逸材です、そういう大会があったら推薦したいくらいです。

姉は義兄の世話をした後、猫達にご飯あげておいてといってまた眠りにいきました。


よくできた犬は飼い主以外から餌をもらわないといいます。猫はそうではないらしく、私に早く飯をよこせと強請ってきました。一匹一匹献立が違うので非常に面倒です。

姉がそういっているだけでなんでも食うんじゃないか?昔の猫はご飯に味噌汁をかけたものを食べていたんだぞとどこかで知った知識で彼らを糾弾しました。そもそも姉が甘やかしているだけでなんでも食べるんじゃないか?猫だぞ?と適当にあげたらやはり食べません。姉に言われた通りに一匹ずつ猫料理を配膳しました。するとようやく食べ始めました。

キャットフードの他に干しカマや煮干しやかつおぶしやツナ缶や猫用の牛乳……猫用の牛乳?猫用の牛乳ってなんだ?牛が猫のために特別に出した牛乳なのか?最近の牛はそんなことするのか?私は何が何だか分かりませんでした

配膳が終わり私は思いました。なんて手のかかる生き物なんだ……しかも飯を食い終わったらおまえに用はないとばかりに愛想の一つもふらず去っていきました。

いやそればかりか身体をなでたのですが、離れた場所であいつに触られたから汚くなったから舐めておこうああ汚い汚いといわんばかりに毛づくろいをしていました。

というより間違いなく言っていたと思います。こんな生意気な生き物が日本で一番人気があるペットである事実に戦慄しました。


そうこうしているとIちゃんが起きてきました。自分が連れてきたのにこの家にIちゃんがいることが不思議でした。おはようよく寝られたか?というとうんと一言いいました。キッチンに行き紅茶に牛乳を入れたミルクティーを作って出しました。


「どうだ気分は?」
「うん普通だけど」
「そうか」


表情は柔らかく一晩経って落ち着いたのでしょう。
私はとりあえず安堵しました。

「あのさ……ありがとう先生」
「ああうんどういたしまして俺も無料飯(ただめし)が食えたから問題ないよ。


私は気になっていたことがあったので聞きました


「メイちゃんと何話していたの?」
「先生の悪口いってた」

二人とも同じことを言っているのでそうなのだろう。具体的に悪口の内容を聞いたのですがはぐらかされました。共通の敵がいると結束が固くなるといいますが、それならそれで悪口をいわれても悪くないと思いました。


「でもメイちゃん先生の事すごい好きなんだね」
「え?まぁ好きというか叔父さんだしな」


悪口をいっていた事のフォローをされました。
その後明るい顔から一転寂しげな顔になり……

「可愛い人だよね羨ましい」

とつぶやくようにいいました。羨ましい?学校にいっていることだろうか。表情からはどういった感情がそこに込められているのかよく分かりませんでした。学校に行っていない自分の事を卑下しているのだろうか。

とはいえここに連れてくる前はどうすればいいのか心配していたのですが同じ年というのはやはり話しが合うのでしょう。思いの他仲良くなったみたいで安堵しました。その後も適当に世間話をしていました。母親の話しや勉強の話しは一切しませんでした。

早朝から朝になりメイちゃんとレイちゃんは学校にいく準備をしていました。姉はまだ寝ていました。皆で朝食をとり残された私とIちゃんは塾に行き、昨日の分の授業をしました。

授業の終わりごろ私はどうしたものか考えているとお母様から電話がかかってきました。Iちゃんに代わってほしいというので代わりました。どうやら電話に出ていないようです。私は席を外しました。

電話が終わるまで辛抱強く待ちました。そして電話が終わり先生ありがとうとスマホを渡されました。今日は家に帰るという言葉を聞いたとき安堵しました。しかしながら表情は硬くわだかまりがとけたわけではないのは一目瞭然です。


楽で怠惰な生活を追求してきた私にとって今回の事件は手の余るものでした。前向きに考えれば塾経営を始めたばかりの時期に厳しい試練を乗り越えれば後にあの時と比べればなんだってやっていける。そういう心境になるのかもしれません。

総括するならば火種は残ったが今回は火事にはならなかった。この先も注意深く見守っていかねばなりません。


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ホワイトデー楽しみにしてますよと言われました

塾の保護者様にホワイトデー楽しみにしてますよと言われました。一体何を返せばいいのかまったくもって検討もつきません。もてない男の人生経験のなさがモロに出ているといってもいいでしょう。

困ったので家庭教師の生徒に相談してみました。するとお菓子でいいんじゃないと言われたのでお菓子でいいのだろうと安心しました。

そのすぐ後に私は去年何ももらってないけどねといわれました。なるほどそうか、そういえば何もしていない。私の社会性のなさがまた露呈してしまいました。

逆切れですがバレンタインはチョコと決まっているのは楽ですよね。ホワイトデーは何も決まっていないですし世間ではさほど盛り上がらないのでスルーしてもいたしかたないのではないでしょうか?自己弁護しましたが無理があるかもしれません。

私は欲しいのか?というと溜息をつかれました。帰り際に2年分よろしくねと言われました。3月は食費を削って予算を捻出しなければなりません、厳しい月になりそうです。




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